卒業設計やコンペの提出が近づくと、建築模型の「添景」をどう作るかで悩む人が一気に増えます。
添景とは、人・樹木・車・家具など、建物の周りに置いてスケール感や空間の使われ方を伝えるための小物のことです。
この記事では、1/100と1/50を中心に、添景の自作方法と市販品の選び方、配置のコツまでまとめて解説します。
建築模型に添景を入れる理由
添景がない模型は、建物の大きさが直感的に伝わりにくくなります。
人が1体置いてあるだけで、天井の高さや通路の幅がひと目でわかるようになります。
樹木や家具を加えると、そこでどんな暮らしや活動が行われるのかというストーリーも伝えられます。
講評会やプレゼンでは、審査員が模型を見る時間は限られているため、添景による情報の補足はとても重要です。
スケール別・添景サイズ早見表
添景は縮尺に合わせてサイズを揃えないと、一気に模型の説得力が落ちます。
実寸を縮尺で割るだけなので、作り始める前に早見表を用意しておくと作業がスムーズです。
| 添景 | 実寸の目安 | 1/100 | 1/50 | 1/200 |
|---|---|---|---|---|
| 大人(身長) | 約1,700mm | 約17mm | 約34mm | 約8.5mm |
| 子ども(身長) | 約1,100mm | 約11mm | 約22mm | 約5.5mm |
| 中木(高さ) | 約3,000mm | 約30mm | 約60mm | 約15mm |
| 高木(高さ) | 約6,000mm | 約60mm | 約120mm | 約30mm |
| 乗用車(全長) | 約4,500mm | 約45mm | 約90mm | 約22.5mm |
表の実寸はあくまで一般的な目安です。
計画地の植栽計画や想定する利用者に合わせて調整してください。
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人(点景人物)の作り方
白い紙やケント紙で切り出す方法
もっとも手軽なのは、人のシルエットを紙から切り出す方法です。
ケント紙や薄いスチレンペーパーに輪郭を描き、デザインナイフで切り抜きます。
足元に1mm程度の「のりしろ」を残して折り曲げると、自立させやすくなります。
白やグレーで統一すると、建物の素材感を邪魔せずに抽象的な表現になります。
真鍮線・針金で作る方法
スタディ模型や抽象度の高い模型では、細い針金を人型に曲げる表現もよく使われます。
頭・胴・脚のバランスを先に決めておくと、量産しても形が揃いやすくなります。
ポーズを変えれば「歩く」「座る」「子どもと手をつなぐ」などの動きも表現できます。
市販の添景人物を使う方法
時間がない場合は、建築模型用の添景人物を購入するのが確実です。
1/100や1/50などスケール別に販売されており、立ち・座り・歩きなど複数のポーズがセットになっているものが多いです。
プラスチック製の無塗装品は、白やグレーのサーフェイサーで塗るだけで模型全体のトーンに馴染みます。
樹木の作り方
スポンジやドライフラワーを使う方法
樹木は模型の印象を大きく左右するパーツです。
幹には爪楊枝や竹ひご、細い木の棒を使い、葉の部分は模型用のスポンジやドライフラワーを接着する方法が定番です。
葉の色をグリーンではなく白やベージュにすると、建物を主役にした落ち着いた表現になります。
針金をねじって幹と枝を作る方法
よりリアルな樹形を作りたい場合は、複数本の針金を束ねてねじり、途中から枝分かれさせて幹と枝を作ります。
その上にモデリングペーストなどを塗って幹の質感を整え、葉を少量ずつ付けていきます。
1/100から1/50程度のスケールで使いやすい方法ですが、1本あたりの手間がかかるため、主役となるシンボルツリーだけに使うのがおすすめです。
抽象表現の樹木
コンセプトを強調したい模型では、球体の発泡材やアクリル棒で樹木を抽象化する方法もあります。
形を単純化すると統一感が出て、建物のフォルムが際立ちます。
家具・車・小物の添景
室内が見える断面模型では、テーブルや椅子、ソファなどの家具を入れると空間の使い方が伝わります。
スチレンボードやバルサ材を小さく切って組み合わせれば、シンプルな家具は十分表現できます。
市販の添景セットには、家具やペット、プランターなどがパーツとして揃っているものもあり、切り離して組み立てるだけで使えます。
車は駐車場やアプローチの計画を伝える場面で役立ちますが、置きすぎると模型がごちゃつくので注意してください。
添景を配置するときのコツ
- 人は建物の入口や見せ場となる空間に集中して置き、視線を誘導する
- 色は2〜3色までに抑え、建物の素材感を邪魔しない
- 同じポーズの人を等間隔に並べず、グループやばらつきを作る
- 樹木は敷地境界や外部空間の輪郭を示す位置に配置する
- 接着前にすべて仮置きして、写真を撮ってバランスを確認する
特に写真を撮って確認する方法は効果的です。
肉眼では気付きにくい密度の偏りが、写真にすると一目でわかります。
よくある質問
Q. 添景は自作と市販品のどちらが良いですか?
A. 時間に余裕があり、模型全体のテイストを統一したい場合は自作がおすすめです。
提出直前で時間がない場合は、市販の添景セットを使い、塗装で色を揃えると効率よく仕上がります。
Q. 1/200のような小さいスケールでも人は必要ですか?
A. 必要です。
1/200では人の高さが1cm未満になりますが、小さな点景があるだけで建物全体のボリューム感が伝わりやすくなります。
Q. 添景はいつ作り始めるのが良いですか?
A. 本体の模型が完成する直前ではなく、並行して少しずつ作り溜めておくのが理想です。
提出直前は本体の修正に追われることが多いため、添景だけでも先に準備しておくと安心です。


